「クレジットカードが使えない!」全東信の破産で何が起きている?
「クレジットカードが使えない!」全東信の破産で何が起きている?
いらっしゃいませ、てんちょーです。
先日、ある店舗に立ち寄ったところ、入口にこんな張り紙がありました。
「クレジットカードは現在ご利用いただけません」
最初は「カード会社側の障害かな?」と思ったのですが、別の店舗では普通にクレジットカードが使えました。
そこで調べてみると、原因の一つとして出てきたのが、「全東信(ぜんとうしん)」という会社の破産でした。
「全東信って何の会社?」「クレジットカード会社なの?」「全東信が倒産したら、なぜ普通のクレジットカードが使えなくなるの?」今回は、このあたりをできるだけ分かりやすく整理します。
結論から言えば、今回の件はクレジットカードそのものが使えなくなったわけではありません。影響を受けたのは、主に全東信の決済システムを利用していた店舗です。
そのため、「A店ではカードが使えないのに、B店では普通に使える」という状況が実際に発生しています。
全東信って、そもそも何の会社?まず、ここが一番分かりにくいところです。
全東信は、一般消費者が普段使うような「クレジットカード会社」ではありません。
カードの発行会社でもありません。
簡単に言えば、**店舗とクレジットカード会社の間に入って、カード決済を支える「決済代行会社」**です。
全東信は、主に飲食店などを対象として、クレジットカード売上の立替払い・早期入金サービスなどを提供していました。
通常、店舗がクレジットカード決済を導入すると、
お客さん→クレジットカード→カード会社・決済ネットワーク→決済代行会社など→店舗
というように、複数の会社・システムを経由してお金が動きます。
全東信は、この中で店舗側のクレジットカード決済を支える役割を担っていました。
帝国データバンクによると、全東信はクレジットカード会社から加盟店募集業務を受託し、加盟店のクレジットカード売上をカード会社に先行して店舗へ入金する「早期決済代行サービス」を提供していました。
つまり、「カードを発行している会社」ではなく、「カードで支払えるように店舗側の仕組みを提供していた会社」と考えると分かりやすいでしょう。
全東信は2026年7月6日に破産全東信は、2026年7月6日、大阪地方裁判所から破産手続き開始決定を受けました。負債額は2025年3月期時点で約1,259億円。
帝国データバンクによれば、2026年に入ってから最大規模の倒産となっています。
そして重要なのが、破産手続き開始と同時に、全東信の事業が停止したということです。
全東信の破産管財人からも、破産手続き開始により事業を停止し、加盟店向けの決済代行サービスが終了する旨が案内されています。
これによって、全東信の決済端末を使っていた店舗では、突然クレジットカード決済ができなくなりました。
実際、クレディセゾンやUCカード、JCBなども、全東信の破産に伴い、一部店舗でクレジットカードが利用できない状況が発生していると案内しています。
なぜ「全東信が倒産しただけ」でカードが使えなくなるの?ここが今回の話のポイントです。例えば、あなたが飲食店で1万円をクレジットカードで支払ったとします。
消費者からすると、「カード会社に1万円払うだけでしょ?」と思いますよね。
しかし店舗側から見ると、カード決済にはさまざまな仕組みが絡んでいます。
イメージとしては、
お客さん→カードを提示・タッチ→決済端末→決済システム→カードネットワーク→カード会社→店舗へ売上入金
という流れです。
この途中に全東信のシステムが入っていた場合、
全東信が事業停止→決済システムが停止→その端末でカード決済できない→店舗では「クレジットカード利用不可」
となります。
つまり、クレジットカードそのものが壊れたわけではありません。
「カード決済の道路」の途中にあった会社が突然なくなったため、その道路を使っていた店舗だけ通れなくなった、というイメージです。
だから「この店では使えるのに、あの店では使えない」今回、実際に店舗を利用した人が一番混乱するのがここでしょう。
例えば、
コンビニ → 普通に使える
大手スーパー → 普通に使える
別の飲食店 → 普通に使える
全東信の端末を使っていた店舗 → 使えない
ということが起こり得ます。
つまり、「クレジットカード全体の障害」ではありません。
どの決済代行会社・決済端末を店舗が利用しているかによって影響が変わります。
実際、クレディセゾンも「全東信の決済端末を導入している一部店舗」において、セゾンカードを含むクレジットカードが利用できない状況になっていると案内しています。
では、全東信はなぜ破産したの?ここも気になるところです。
全東信は、もともと飲食店を中心とした加盟店向けに、クレジットカード売上の早期入金サービスなどを提供していました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって飲食店が休業・時短営業を余儀なくされ、業績が悪化。
帝国データバンクによると、2020年3月期には約80億円だった年収入高が、2021年3月期には約50億円まで減少。
その後も赤字が続きました。さらに2024年には、クレジットカード加盟店契約に関連して、審査が通らない飲食店について他人名義で契約を結んでいたとして社員らが逮捕され、その後、全東信も組織犯罪処罰法違反の疑いで書類送検されています。
こうした問題によって信用不安が広がり、資金調達にも支障が出た結果、事業継続を断念したとされています。
さらに破産後には、過去の粉飾決算についても報じられています。
東京商工リサーチによると、預金残高の水増しや架空債権などが指摘され、実質的には大幅な債務超過だった可能性があります。
かなり根の深い問題だったことが分かります。実は「店舗側」への影響がかなり大きい今回の問題で、消費者よりも深刻な影響を受けているのが店舗です。
なぜなら、カード決済ができない=売上を取りこぼす可能性があるからです。
特にキャッシュレス決済が当たり前になった現在では、「現金を持っていないから、カードで払おう」というお客さんも少なくありません。
カードが使えなければ、「じゃあ別の店に行こう」となってしまう可能性もあります。
さらに深刻なのが、すでにカード決済した売上金の問題です。全東信は店舗への早期入金サービスを行っていたため、破産時点で店舗側に支払われていない売上金が存在します。この未払い売上については、破産手続きの中で扱われることになります。
つまり店舗にとっては、「今日からカードが使えない」だけではなく、「すでにカードで売った商品の代金が、予定通り入金されない可能性がある」という二重の問題になっています。これは、資金繰りに余裕のない小規模店舗にとっては非常に大きな問題です。
私たち「カードを使う側」には何が起きる?ここで安心してほしいのが、全東信が破産したからといって、あなたが持っているクレジットカードが使えなくなるわけではありません。
例えば、VisaカードMastercardJCBカードAmerican Express各カード会社が発行するクレジットカードなどが、全東信の破産によって一斉に利用できなくなるわけではありません。
実際、カード会社各社の案内でも問題となっているのは、主に全東信の決済端末を利用している店舗です。
そのため、「カード会社が倒産した」という話ではありません。ここは大きな違いです。ただし「店舗でカードが使えない」ケースはしばらくあり得る利用者側が注意したいのはここです。
全東信のサービスが停止したことで、影響を受けた店舗は別の決済代行会社へ移行する必要があります。
つまり、全東信の端末→利用できなくなる→新しい決済代行会社を契約→新しい端末・システムを導入→カード決済再開という流れになります。そのため、店舗によっては復旧まで時間がかかる可能性があります。
クレディセゾンも、全東信の代わりとなる決済事業者として複数の事業者を案内しています。
私たちは何か対策したほうがいい?
結論。
特別なことをする必要はほとんどありません。
カード会社から、「カードを交換してください」「カード番号を変更してください」などの案内が来ていないのであれば、基本的にはそのまま利用して問題ありません。
ただし、個人的には次の3つをおすすめします。
① スマホ決済を1つ用意しておく今回の私自身の体験のように、「カードが使えないなら、別の支払い方法で払う」という状況に備えておくと安心です。例えば、au PAYPayPay楽天ペイd払いApple PayGoogle Payなど。特にスマホ決済は、現金を持ち歩いていないときの「第二の財布」として役立ちます。
② 少額の現金を持っておくキャッシュレス生活をしている人ほど、「財布を持っているけど、中身がほとんどない」という状態になりがちです。しかし、「カードも使えない、QR決済も使えない」という店舗が存在する以上、数千円程度の現金を持っておくと安心です。今回の全東信のようなケースだけでなく、通信障害や端末故障、店舗側のシステム障害でも同じことが起こります。
③ カード1枚だけに依存しない例えば、メインカード+スマホ決済+少額の現金くらいの組み合わせがおすすめです。さらに旅行や遠出をするときなら、カードを2枚程度用意しておくとより安心です。これは「全東信対策」というより、キャッシュレス社会での障害対策と考えたほうがいいでしょう。
「カード情報が漏れたんじゃないの?」と心配する必要は?今回のニュースを見て、「全東信が倒産したなら、カード番号とか個人情報は大丈夫なの?」と心配になる人もいるでしょう。
しかし、今回確認されている主な問題は、全東信の事業停止によって決済端末・決済サービスが利用できなくなったことや、加盟店への売上金が問題になっていることです。
少なくとも「全東信が破産した=利用者のクレジットカードが一斉に不正利用される」という話ではありません。
そのため、全東信のニュースだけを理由にカード番号を変更したり、カードを解約したりする必要はありません。
もちろん、身に覚えのない利用があれば、それは今回の件とは別問題として、すぐにカード会社へ確認しましょう。
今回の件で見えてきた「キャッシュレス決済の意外な弱点」今回の全東信の破産は、消費者にとっても一つの教訓になりました。私たちは普段、「クレジットカードがあればどこでも払える」と思いがちです。
しかし実際には、カード会社だけではなく、決済ネットワーク決済代行会社加盟店契約決済端末通信回線など、さまざまな仕組みが裏側で動いています。そのどこか一つが止まれば、「カード自体は正常なのに、その店では払えない」ということが起こります。
今回まさにそれが現実になりました。
まとめ:カードが壊れたわけではない
今回の全東信の破産を簡単にまとめると、全東信クレジットカード会社ではなく、店舗側のカード決済を支える決済代行会社。
何が起きた?
2026年7月6日に破産手続き開始決定。
何が止まった?
全東信の決済代行サービスと、同社の決済端末。
誰に影響?
全東信のシステムを利用していた加盟店。
消費者のカードは?
基本的に問題なし。
なぜ店によって使えたり使えなかったりする?
店舗ごとに利用している決済代行会社・端末が違うため。
利用者は何をすればいい?特別な手続きは基本的に不要。ただし、「カード+スマホ決済+少額の現金」というように、支払い手段を一つに集中させないことはおすすめです。
「キャッシュレスだから現金はいらない」は、本当に大丈夫?今回、私自身も店舗で「クレジットカード利用不可」の張り紙を見て、急きょスマホのau PAYへチャージして支払いました。
そのとき改めて思ったのが、「カードが使えないことって、普通にあるんだな」ということです。
カード会社の問題ではなくても、決済代行会社の障害店舗端末の故障通信障害システムメンテナンス店舗側の契約変更災害や停電など、キャッシュレス決済が使えなくなる理由はいくらでもあります。
もちろん、普段から現金を大量に持ち歩く必要はありません。でも、「カードがダメならスマホ決済」「スマホもダメなら現金」というように、2つ、3つの逃げ道を持っておく。それだけでも、今回のような突然の「クレジットカード利用不可」に慌てず対応できます。全東信の破産は、一見すると私たち消費者には関係のない「一企業の倒産」に見えます。
しかし実際には、私たちが普段何気なく使っているキャッシュレス決済が、多くの企業やシステムによって支えられているということを、改めて実感させられる出来事でした。
便利でお得なクレジットですが、完全に一本化せず、もしものために2つめの決済手段は持っておいた方がいいなという教訓と、クレジット関係の超安全そう?な企業でもいきなりこんなことあるんやな。。。とびっくりした出来事でした。
最後までお付き合いありがとうございます。
またのご来店お待ちしております。

